山形県朝日町、AIカメラでクマ・不審者を自動検知・撃退 – デンソーと実証実験

山形県朝日町、AIカメラでクマ・不審者を自動検知・撃退 – デンソーと実証実験

山形県朝日町は、株式会社デンソーとダイワ通信の技術を組み合わせ、AIカメラで野生動物や不審者を自動検知・撃退できるスマートポールの実証実験を実施し、2025年度の本格導入を目指している。

実証実験の概要

2024年10月から12月にかけて行われた実験では、農園に設置されたAIスマートポールが、クマやイノシシなどの害獣や不審者を検知すると、光や音で自動的に追い払う機能を検証。検知情報は即座に町役場の管理センターと関係者のスマートフォンに通知される仕組みとなっている。

地域課題への対応

朝日町では、高齢化率が36.8%に達し、特産品のリンゴ栽培における労働力不足が深刻化。さらに近年、クマやイノシシの出没による人身事故や農作物被害が増加している。これらの課題に対し、猟友会の人手不足も踏まえ、AIを活用した効率的な監視・撃退システムの導入が急務となっていた。

システムの特徴

このAIスマートポールは、デンソーの多機能スマートポール技術と、ダイワ通信の「IWA BOX」と呼ばれるAI端末を組み合わせた製品。カメラが自動的に撮影した映像をAIが解析し、害獣や不審な行動を検知すると、以下の対応を行う:

  • 光や音による自動的な追い払い
  • 管理センターへのリアルタイム通知
  • 関係者のスマートフォンへの即時通報
  • 近隣住民や観光客への情報共有

今後の展開

実証実験では、設置場所の選定や電波状態の確認など、実用化に向けた具体的な検証を実施。得られたデータは今後のシステム改善に活用され、2025年度の本格導入を目標としている。この取り組みを通じて、朝日町は人間と野生動物の共生を目指しながら、地域の安全確保と農作物保護の実現を図る。

朝日町について

朝日町は山形県中央部に位置し、磐梯朝日国立公園の主峰・大朝日岳の東縁山麓地域に広がる自然豊かな町。町の面積は196.81平方キロメートルで、その73%が原生林野で占められている。特産品としてリンゴやワインが有名で、観光スポットとして空気神社や椹平の棚田、リンゴ温泉などを有する。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000156922.html