豊田自動織機、金属の破損原因をAIで自動解析 解析時間を最大90%短縮

豊田自動織機、金属の破損原因をAIで自動解析 解析時間を最大90%短縮

画像はAI生成です

豊田自動織機は、AIを活用して金属の破損原因の特定から報告書の作成までを自動化し、解析時間を最大90%短縮する技術を開発した。

この技術は、熟練技術者の知識や経験をAIに学習させ、電子顕微鏡の自動操作と組み合わせたもの。従来は1件あたり8~20時間かかっていた解析作業を約2時間に短縮できるほか、依頼の受付から報告までに必要な期間も、従来の1~2週間から2~3日に短縮した。

熟練技術者のノウハウをAIに学習させ、解析を自動化

金属の破損原因を調べる「破面解析」は、金属が割れた断面を詳しく観察し、破損に至った原因を推定する技術だ。自動車部品などの開発や試作で発生した破損の原因を明らかにし、設計や材料の改善、製品の品質向上につなげる重要な役割を担っている。

豊田自動織機は、1947年に材料研究の専門部署を設立して以来、約80年にわたって金属の解析技術を蓄積してきた。今回の技術では、熟練技術者が過去10年間に解析した画像データをAIに学習させ、電子顕微鏡の自動操作技術と組み合わせた。

これにより、直径数センチメートルの破断面から、約1マイクロメートル(1,000分の1ミリメートル)の微細な痕跡を見つけ出し、破損原因を推定できる。

観察する金属サンプルを電子顕微鏡にセットするだけで、調べるべき箇所の特定から原因の推定、報告書の作成まで、主要な工程を自動で実行する。同社によると、破面解析の一連の業務を自動化する技術は世界初という。

熟練技術者との判定一致率は90%以上

開発したAIは、熟練技術者の判定と比較して、観察すべき箇所の特定で95%以上、破損の種類の判定で90%以上の一致率を達成している。

破損の種類には、繰り返し力が加わることで徐々に壊れる「疲労破壊」や、一度に大きな力が加わることで壊れる「延性破壊」などがあり、AIがこうした違いを判定する。

さらに、新たな解析データを継続的に学習し、判定精度を高める仕組みも構築した。運用を重ねることで、AIの信頼性を継続的に改善できるという。

2027年度内に実際の分析業務への導入を目指す

豊田自動織機は、2027年度内をめどに、開発した技術を実際の分析業務に適用する方針だ。

今後は、運用によって蓄積されるデータを活用して判定精度をさらに高めるとともに、解析できる材料の種類を増やしていく。

自動車の電動化や自動化が進み、製品開発の迅速化が求められる中、今回の技術は、これまで熟練技術者に依存していた解析業務の効率化と標準化につながるものと期待される。

出典:https://www.toyota-shokki.co.jp/news/2026/09/29/009088/index.html