ロート製薬、工場にヒューマノイドロボット導入へ 人とAIが協働する新しいものづくりを目指す

ロート製薬は2026年3月31日、人工知能を搭載したヒューマノイド(人型ロボット)の開発・導入プロジェクトを始動すると発表した。製造現場での作業負担を減らしながら、働く人がより付加価値の高い仕事に集中できる新しい工場の姿を目指す取り組みだ。
実証の舞台は三重県の「上野テクノセンター」
プロジェクトの実証場所となるのは、1999年から稼働する上野テクノセンター(三重県)。目薬「Vロートプレミアム」や化粧水「肌ラボ極潤ヒアルロン液」などの製造・品質管理・物流を担うロート製薬の中核工場だ。2022年からはIoTやセンサー技術を組み合わせた「現実空間とデジタル空間を連動させる仕組み(サイバーフィジカルシステム)」をいち早く導入しており、今回はその基盤を活かして実証を進める。
まずは「搬送」「巡回」「監視」「箱詰め」の4領域から
導入は段階的に行われ、当初は次の4つの業務を対象とする。
- 軽い荷物の自動搬送
- 安全確認や案内といった連絡業務
- 生産ライン切替時の監視
- 箱詰めなどのライン補助
従来の工場ロボットは、あらかじめ決められた動作を繰り返すだけだった。一方、今回導入を目指す「フィジカルAI」搭載のヒューマノイドは、周囲の環境の変化に応じて自ら最適な動きを判断できる点が大きく異なる。
「人の仕事を奪う」のではなく「人の可能性を広げる」
同社は「単にロボットで人の役割を置き換えるのではなく、働く人がより可能性を発揮できる現場をつくる」との姿勢を強調する。海外ではこうした技術の活用が急速に広がっている一方、日本では安全性や運用面での慎重な姿勢から実例はまだ限られている。ロート製薬はこれまで構築してきたデジタル基盤を強みに、外部の先端技術や専門人材との連携も視野に入れながら、迅速に実証を進めていく方針だ。
