AI時代の多様な詐欺、その対応策とは?
深夜、突然鳴り響く携帯電話。画面に表示されるのは見知らぬ番号。不安を感じながら電話に出ると、そこには息子の必死の声が。「お母さん、大変なことになったんだ。仕事先で事故に遭って…」その瞬間、あなたの心臓は激しく鼓動を打ち始めます。しかし、ちょっと待ってください。その声、本当にあなたの息子でしょうか?
驚くべきことに、最新のAI技術は、わずか数秒の音声サンプルから、ほぼ完璧に人の声を再現することを可能にしました。この革新的な進歩は、ここわずか1、2年の間に急速に発展を遂げたのです。つまり、ニュース報道、YouTube動画、ソーシャルメディアなど、どこかで一度でも声を公開したことがある人は、誰もが自分の声を複製される危険にさらされているのです。この技術を悪用すれば、あなたの大切な人になりすまして、緊急事態を装い、金銭を要求することも可能になります。
ここで警戒すべきは、従来からある詐欺の手口が、AIによってより巧妙化し、驚くべき説得力を増していることなのです。
さらに恐ろしいのは、ディープフェイク技術を駆使した画像や動画による脅迫です。あなたや大切な人の顔を使って、不適切な画像や動画を作り出し、「これを公開されたくなければ…」と脅してくるのです。
復讐心に燃える元恋人が、あなたのSNS上にアップされている写真や音声を使うこともあるかもしれません。
では、このような新たな脅威から身を守るには、どうすればよいのでしょうか?
以下に、具体的な対策をご紹介します。
1. リンクや添付ファイルに注意:焦らせるようなメールや、個人情報の入力を求めてくる不審なメールが来た場合、リンクや添付ファイルは開かないでください。
2. 直接確認する:誰かがあなたの知人を名乗った場合、その人といつもやり取りをしている方法、連絡先を使い確認を取ってください。
3. 被害に遭ったら即行動:脅迫や詐欺の被害に遭った場合は、ためらわず警察や専門機関に通報してください。証拠を保存し、法的アドバイスを求めることも重要です。
AIを使った詐欺に対しても、対応は基本と変わりません。
なぜなら、詐欺の目的は変わらないからです。
詐欺の目的は、個人情報や金銭を得ることですので、必ず、どこかでそれらを聞き出そうとします。
名前、住所、電話番号、口座番号、クレジットカード、マイナンバーや保険証や運転免許証。
これらをネット上に入力する際は、細心の注意を払ってください。
ただし不審なリンクを開くだけでも、そのメールアドレスの主は詐欺にひっかかりやすいと、ダークウェブに収集されてしまいますので注意。
直接的な害はなくとも、その後、詐欺のメールが怒涛のように押し寄せてくるかもしれません。
あなたの周りに、ネットに詳しい人がいれば、大事にしてください。そして頼ってください。
彼らは、上記に挙げたような基本的なことを分かっています。
ネットの時代でもスマホの時代でもでもAIの時代でも、近くに頼れる人がいることが一番の安心に繋がります。
出典:https://techcrunch.com/2024/06/30/ai-powered-scams-and-what-you-can-do-about-them/