AI法律相談が「打ち明けやすさ」で弁護士を上回る調査結果、弁護士ドットコムが発表

AI法律相談が「打ち明けやすさ」で弁護士を上回る調査結果、弁護士ドットコムが発表

弁護士ドットコム株式会社が実施した意識調査によると、AI法律相談は「打ち明けやすさ」などの点で弁護士を上回る評価を得ていることが明らかになりました。一方で法律相談の利用意向では、弁護士による相談がAIを大きく上回っています。

調査の背景と概要

弁護士ドットコム株式会社は、「専門知」の新たな活用可能性を調査・発信するプロフェッショナルテック総研を通じて、AIと法律相談についての意識調査を実施しました。この調査は、今後AIを活用した相談システムが様々な分野で普及する可能性を見据え、法律相談分野における弁護士とAIのそれぞれの優位性を探ることが目的です。

調査は2024年11月27日から12月3日にかけて、弁護士ドットコムの一般会員571名を対象にウェブアンケート形式で行われました。詳細な内容は「士業DX白書2025」に掲載されています。

生成AIサービスの利用状況

調査によると、回答者の60.6%が生成AIサービスの利用経験があることがわかりました。内訳は「たまに使う」が33.3%、「日常的に使っている」が19.8%、「一度だけ使ったことがある」が7.5%となっています。

また、利用したことのある生成AIサービスとしては、ChatGPTが91.6%と圧倒的な高さを示しました。

法律相談の利用意向比較

法律相談の利用意向について、費用などの前提条件を置かずに尋ねたところ、弁護士による相談が62.3%、AIによる相談が11.0%と、弁護士が圧倒的に支持されていることがわかりました。

自由回答では、AIに対して信頼性の低さや感情面での対応力の弱さを指摘する声がある一方で、最初の相談窓口としての利用や、人間的な対応を必要としない人にとっては有用だという肯定的な意見も見られました。

AIと弁護士への期待の違い

AIと弁護士への相談について12項目に分けて期待度を調査したところ、「打ち明けやすさ」「アクセスのしやすさ」「コスト低減」「迅速なやりとり」の4項目においてAIが弁護士を上回りました。

特に「打ち明けやすさ」では、AI(48.0%)が弁護士(29.2%)を大きく上回っています。これは、不貞行為や犯罪の加害行為など、人に話しにくい内容の相談が弁護士への相談では多いことが影響していると考えられます。

一方で、「関係各所との交渉力」や「訴訟手続きへの手助け」など、複雑な調整が必要な項目については、弁護士への期待度が高い結果となりました。

AI活用度による「打ち明けやすさ」への期待の差

興味深いことに、AIへの「打ち明けやすさ」の期待度はAIの利用頻度によって大きく異なることがわかりました。AIを日常的に使っている層では、AIへの打ち明けやすさの期待度が72.6%と非常に高く、AIに秘密を打ち明けることへの抵抗感が少ないことが明らかになりました。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000496.000044347.html