不動産ナカジツ、生成AI活用の接客トレーニングシステムを全国40店舗に導入

AIで接客スキルを磨く新時代の人材育成

株式会社Sapeetが提供する生成AI技術を用いた接客練習システム「カルティ ロープレ」が、全国40店舗以上を展開する不動産SHOPナカジツに採用された。このシステムは、新人や若手スタッフを中心とした200名以上の従業員を対象に、店頭でのお客様対応力を高める目的で導入される。

不動産業界が抱える人材育成の課題

不動産の相談では、初回接点でのヒアリングや提案の質が、その後の信頼関係や契約に大きく影響する。住宅購入や売却、リフォームといった人生の重要な決断を支援するには、物件知識に加えて、お客様の状況や希望を丁寧に聞き取るコミュニケーション能力が欠かせない。

これまで新人育成は、実務を通じた指導や模擬接客を通じて行われてきた。しかし、指導者によってフィードバックの視点や場面設定が異なるため指導内容にばらつきが生じやすく、また練習相手を務める先輩社員の時間的負担も大きいという課題があった。

こうした背景から、誰もが標準化された環境で繰り返し練習でき、体系的にスキルを身につけられる仕組みが求められていた。

AIが実現する効率的なトレーニング環境

今回の導入では、まず住宅購入を希望するお客様の初回来店場面を想定したシーンでAI練習を開始する。ヒアリングシートを活用しながら、お客様が安心して本音を話せる対話や、背景や優先順位を理解した適切な提案につなげる力を養う。

このシステムの導入により、新人や若手スタッフは実務指導に頼らず、いつでもどこでも繰り返し実践的な練習を積める。育成の効率化や習得スピードの向上が期待されるほか、ヒアリングの量や質を数値化することで、個々の成長を客観的に把握しながら効果を検証していく。

「カルティ ロープレ」の主な機能

カルティ ロープレは、AIアバターを使った実践型の練習システムだ。主な特徴として、AIとの対話だけで理想的な練習シーンを自動生成・編集できる機能を備えている。ウェブ情報や社内マニュアルも取り込めるため、現場に即した実践的な場面設定を誰でも簡単に作成できる。

様々なアバターの人物設定やシーンを用意でき、実務で経験する多様な対応を効率的に学べる。上司の時間を取ることなく、従業員が自分のペースで繰り返し練習できる点も大きな利点だ。

事前に設定した評価基準に沿って練習内容を評価し、課題を明確に示す機能も搭載。評価者のスキルに左右されず、公正で一貫したフィードバックを提供する。

また、練習の録画や会話の文字起こしを確認できるため、本人はもちろん、管理者も内容を振り返り、今後の学習や重点的に指導すべきポイントとして活用できる。

企業概要

不動産SHOPナカジツは愛知県岡崎市を拠点に、不動産仲介、新築住宅、リフォーム、買取再販、収益不動産、保険代理業など、住まいに関する幅広いサービスをワンストップで提供する総合不動産企業。「お客様以上にお客様のことを考える」をモットーに、業界の常識を打ち破る顧客本位で透明性の高いサービスと高品質な施工技術を強みに成長を続けている。

株式会社Sapeetは、AI技術で企業独自の専門知見を解析し、競争優位性につながる中核業務の価値を増幅・拡張するExpert AI事業を運営する東京大学発ベンチャー。コミュニケーションAIや身体分析AIを使いやすいシステムとして提供し、企業のAIと人間の協業体制構築を支援している。東京証券取引所グロース市場に上場している。