関西みらい銀行がAIアバター研修を導入、新卒170名の実践スキル向上へ

関西みらい銀行が、AIアバターを活用した対話型ロールプレイング研修システム「exaBase ロープレ」を地方銀行として初めて導入し、2025年4月入社の新卒社員170名を対象とした研修を開始した。
同システムは、エクサウィザーズが開発したもので、従来の人対人によるロールプレイング研修の課題を解決する画期的な取り組みとして注目されている。
従来研修の課題を解決
関西みらい銀行では、これまでロールプレイング研修において複数の課題を抱えていた。少人数運営の中で相手役を依頼する心理的負担や、同僚相手に行う際の恥ずかしさから、十分に活用されていない状況があった。
また、シナリオ通りに進める形式的なやり取りに終始しがちで、実際の接客に必要なリアリティに欠けるという問題もあった。さらに、指導者によって評価やフィードバックにばらつきが生じることも改善が求められていた。
AIが実現する実践的な研修環境
「exaBase ロープレ」の導入により、これらの課題は大幅に改善された。AIアバターを相手にすることで、社員は心理的負担なく自然な形でロールプレイングを実施できるようになった。
システムの主な特長は以下の通りだ。まず、銀行支店での来店時の顧客案内や新規口座開設の案内など、実際の商談に近い対話シナリオを自社独自に設定できる。次に、AIアバターは性別や年齢を自由に設定可能で、今回は関西みらい銀行が想定する顧客のアバターを新たに開発した。そして、ロールプレイングの結果は予め定めたシナリオの評価基準に基づいて100点満点で客観的に評価される。
段階的な展開を計画
現在は2025年4月入社の新卒社員170名を対象に、ロビー対応や営業店での電話対応など実践的なスキル習得に重点を置いた研修を実施している。
今後は2~3年目の若手社員の育成や中途入社者の研修にも活用を拡大する予定で、対象を段階的に広げていく方針だ。
同行の人財サービス部長は「新入社員研修では座学が中心となり、知識習得に偏りがちで実践の機会が不足していました。このシステムにより疑似的な実践を繰り返し行うことで、現場で即戦力として活躍できるレベルまで成長させることができました」とコメントしている。
りそなグループの先進的取り組み
この取り組みは、りそなグループにおけるAIを活用した先進的な施策の一環として位置づけられている。最新のテクノロジーを積極的に活用することで社員の成長を支援し、顧客へのサービス品質をさらに向上させることを目指している。
AIによる個別のフィードバック機能により、各担当者が自身の課題をより明確に把握できるため、スキル向上に向けたモチベーション向上効果も期待されている。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000354.000030192.html