AIリテラシーが常識に:学校が担う未来への準備


AIリテラシーが常識に:学校が担う未来への準備

教育現場にAIの波が押し寄せている。学生がChatGPTを使うことへの賛否両論が巻き起こる中、ある新興企業が教育とAIの融合に新たな道筋を示した。MagicSchool AIが1500万ドル(約15億円)の資金調達に成功し、教育環境向けの生成AI開発に拍車をかける。

MagicSchool AIの創業者兼CEOであるアディール・カーン氏は、教師時代の経験を活かし、AIを教育現場に導入する革新的なアプローチを考案。現在、200万人以上の教師と3000を超える学校や学区がMagicSchool AIの製品を利用し、授業計画や試験作成、その他の学習材料の作成に活用している。教師には、授業計画や生徒と離れて行うその他の作業で教師を支援するチャンスがあるのだ。

しかし、AIの導入は決して順風満帆ではなかった。カーン氏は当初、教師たちの反応に苦戦した。「彼らは私にこう言いました。『ロボットに指示を出して、自分のやりたいことをやらせるのに多くの時間を費やしたので、結局、時間の節約にはならず、むしろ時間の浪費になってしまった』」この課題を克服するため、MagicSchool AIはより使いやすいインターフェースと特化した機能の開発に注力した。

現在、教師がMagicSchool AIで作成しているものの例としては、授業計画、クイズやテスト、コース教材、学習難易度に応じて用意した教材を再構成したものなどがある。MagicSchool AIはこれらすべてを改良し続けている。時間の節約が最も明白な理由であると考えられるが、アイデアをブレインストーミングしたり、自分で学習できる内容を補足したりするのにもAIが役立つことがわかってきた。

さらに、カーン氏は興味深い見解を示す。AIはあらゆることを行う上で欠かせないものとなるため、生徒がそれに備えられるようにするのは学校の仕事だ、というのだ。

しかし、AIの教育への導入には慎重な姿勢も必要だ。ロンドン大学カレッジのムトゥル・チュクロヴァ教授は、AIと人間の知能の違いを指摘する。「AIは創発的な知能ではなく、設計された知能を持っています。つまり、非常に特定の目標、または一連の目標のために設計されているということです。AIはこの特定の目標において優れており、知能の顕著な兆候を示していますが、それは異なるタイプの知能です。」

教育現場でのAI活用はまだ始まったばかり。MagicSchool AIの挑戦が、教育の未来をどのように変えていくのか、今後の展開が注目される。

出典:https://techcrunch.com/2024/06/27/magicschool-thinks-ai-in-the-classroom-is-inevitable-so-its-aiming-to-help-teachers-and-students-use-it-properly/