人工知能が選ぶラッキーナンバーは、あなたと同じかも?
近年、目覚ましい進歩により、私たちの生活に浸透しつつあるAI。しかし、そんなAIたちが人間のように「好きな数字」を持っているという驚くべき事実が明らかになりました。
大手AI企業が開発したチャットボットに「0から100までの間でランダムな数字を選んでください」と質問したところ、予想外の結果が明らかになったのです。OpenAIのGPT-3.5 Turboは47を、Anthropic社のClaude 3 Haikuは42を、そしてGeminiは72を「お気に入りの数字」として頻繁に選択。さらに、どのAIも極端に小さい数字や大きい数字、ゾロ目の数字は避ける傾向が見られました。
この選択パターンは、人間が無意識に行う数字の選び方と酷似しています。心理学の分野では以前から、人間は本当の意味でランダムな数字を選ぶことが苦手だと指摘されてきました。例えば、コインを100回投げた結果を予測させると、それが起こり得ることであっても、人間は6回連続で表が出るようなパターンを予測しない傾向があるのです。
0 から 100 までの数字を選ぶように頼むときも同じです。1 や 100 を選ぶ人はほとんどいません。5 の倍数や、66 や 99 のように数字が繰り返される数字もまれです。これらは、小さい、大きい、特徴的など、何らかの特徴を体現しているため、私たちにとっては「ランダム」な選択とは思えません。代わりに、私たちは 7 で終わる数字、通常は真ん中あたりから選ぶことが多いのです。
AIにとって、数字に好き嫌いがあるわけではなく、彼らは膨大なデータから学習し、人間の行動を模倣しているのです。
AIとのやり取りでは常にこの点を意識し、過度な擬人化には注意が必要です。
AIが人間の行動を模倣するようになった今、私たちは改めて「知性」や「意識」の本質について向き合う必要があるのかもしれません。AIの時代において、人間らしさとは一体何なのか。この問いは、これからのAIと人間の関わり方を考える上で重要な示唆を与えてくれるでしょう。
出典:https://techcrunch.com/2024/05/28/ai-models-have-favorite-numbers-because-they-think-theyre-people/?guccounter=1